人工膝関節 術後リハビリテーション

人工膝関節置換術(TKA)術後のリハビリを経験しないセラピストはほとんどいないのではないかと思います。

 

・術後早期の急性期病院

・急性期病院から転院し、回復期病院

・数年前に手術をした維持期病院

・クリニックで既往にTKAがある

・中枢疾患だが既往にTKAがある、、、などなど

 

しかし、養成校での講義内容では人工関節の

デザイン(解剖学)や人工関節の動き(運動学)については学ぶ機会が非常に少ないのではないでしょうか?

私の学校ではさらっと流す程度だったような。あまり覚えていませんが。

 

 

そこで「人工膝関節のデザインと動き」をまとめてみました!

 

 

 

○人工膝関節の解剖学

 デザイン

 ・シングルラディウス…後顆に対する軸の数が1つ

 ・マルチラディウス…後顆に対する軸の数が2つ

 ※軸が2つの方が、深屈曲域でロールバックしやすい

 

 機種

 ・CR型…後十字靭帯(PCS)温存

 ・PS型…後十字靭帯(PCS)切除

 ・Mobile型

 ※PCLがあることで深屈曲域での制限となりうる

 

 メーカー

 ・帝人ナカシマメディカル

 ・stryker

   ・smith&nephew などなど。

 各社によって特徴もあるようです。興味のある方は、ホームページで見てみてください。

  

 

 

○人工膝関節の運動学

 屈曲時、脛骨大腿関節において、、、

 ・正常膝:大腿骨が30°外旋、外側関節面が50mm後方移動

 ・CR型:大腿骨が10°外旋、外側関節面が10mm後方移動

 ・PS型(single):大腿骨が5°外旋、外側関節面が10mm後方移動

 ・PS型(multi) :大腿骨が10°外旋、外側関節面が15mm後方移動

 

※正常膝と比較して、関節面での回旋や後方移動が少ない。

 大腿骨の外旋と記載していますが、屈曲時の下腿内旋と同じです。

 TKAの研究では、大腿骨の動きで表現されることが多いようです。

 

 

 

まとめてはみましたが、「それで?」

という感情になったと思います。私自身が知った時もそれを思いました。

 

人工関節の豆知識の少しという感じで、

臨床にはリンクしにくい内容な気もします。

 

ただ、「正常膝とは違う」とはっきり認識することで関節運動時の誘導方法や最終域での抵抗感など知らないよりは知っている方が、対応する際の現象を考える幅も深さも広がるのではないか?と思います。

 

 

 

ぜひ、なんとなくわかっていたデザインや動きを

・自分の病院、担当患者はどのタイプの人工関節を使用しているのか?

・それが正常とはどう違うのか?

と実習や臨床で考えることで、目の前の患者さんに還元していただければと思います。

 

 

今後も人工膝関節のリハビリテーションを中心に発信していこうと思います( ̄∇ ̄)